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「ありがとう」の小さな魔法。職場の空気がふんわり温かくなる言葉の育て方

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目次

1. 今日のあなたの心、お天気ですか?それとも、曇り空?

こんにちは!介護士のやなぎです。
最近とても暑い日が続いていて、大変ですよね…
毎日のお仕事、本当にお疲れ様です。

慌ただしい朝の申し送り、鳴り止まないナースコール、山積みの記録業務…
まるで嵐のような一日をなんとか乗り切って、「今日も疲れたな…」と、心にポツリと冷たい雨が降る。
介護の現場で働くあなたなら、そんな経験が一度や二度ではないかもしれませんね。

一生懸命やっているのに、誰も褒めてくれない。むしろ、「なんでできてないの?」とできていないことばかり指摘される。そんな毎日が続くと、だんだん心の余裕がなくなって、笑顔も減ってきますよね。

職場の人間関係という名の分厚い雲に覆われて、いつの間にか「ありがとう」という太陽の光を、見つけるのも忘れてしまっていませんか?

この記事は、そんなあなたの心に差し込む、一筋の光になれるかもしれません。これからお話しするのは、お金も特別な道具もいらないたった一言であなたと職場を元気にする、小さな魔法についてです。

2. 職場を変える鍵は、あなたのポケットの中に

もし、そのギスギスして重たい職場の空気をたった一言で、しかもお金をかけずにふんわりと軽くできるとしたら、試してみたいと思いませんか?

その魔法の言葉こそが、「ありがとうなんです。

「なんだ、そんなことか」って思いましたか?
でも、このありふれた言葉には私たちが想像するよりもずっと大きな力が秘められています。
それはまるで、どんなに錆び付いた扉でも開けることができる、「魔法の鍵」なのです。

この記事では、その「魔法の鍵」の使い方を、誰にでもわかるように、一つひとつ丁寧にお伝えしていきます。
この物語を読み終える頃には、きっとあなたもその鍵を手にしているはずですよ。

3. 「ありがとう」が心とチームに効く、ちょっと不思議なワケ

ありがとう」という言葉が、なぜそれほどまでに力を持つのでしょうか。
それは、私たちの心と脳、そしてチーム全体に科学的にもちゃんと証明された、嬉しい効果をもたらしてくれるからなんです。

3-1. 【自分へのご褒美】まずは自分のHP(ハートポイント)を回復しよう!

実は、「ありがとう」という言葉は、相手のためだけじゃないんですよね。
一番最初に言った❝あなた自身❞を元気にしてくれるんです。

誰かに「ありがとう」と伝えると、私たちの脳の中では「オキシトシン」や「セロトニン」といった、通称「幸せホルモン」が分泌されることがわかっています。
これは、言われた側だけでなく、言った側の脳にも同じように起こる、とっても不思議な現象なんです。

さらに、ポジティブな感情は、私たちの視野を広げてくれる(拡張・形成理論)とも言われています。
ありがとう」と言うことで心が温かくなると、今まで見えていなかった周りの人の優しさや、仕事の面白い側面に気づきやすくなるんです。

ゲームでHP(ヒットポイント、体力)が減った時に回復薬を使うみたいに、「ありがとう」という言葉は、すり減ったあなたの心(ハートポイント)にじわ〜っと染み込んで、優しく回復させてくれる。
まずは自分を元気にするための、一番簡単で副作用のない魔法なんですよ。

3-2. 【チームの土壌改良】カチカチの畑を、ふかふかの畑へ

私、やなぎは趣味でベランダ菜園をやっているんですが、良いチーム作りって、良い畑作りにそっくりだなって思うんです。

ありがとう」が聞こえない職場は、まるで水分も栄養もなく、カチコチに固まってしまった畑の土のよう。
そんな土壌では、ヒヤリハットを報告したら怒られるんじゃないか、新しい提案をしたら笑われるんじゃないかと、誰もが口を閉ざしてしまいます。

でも、そこに「ありがとう」という温かい言葉の水をやり続けると、どうなるでしょう?

カチカチだった土は少しずつ柔らかくなり、チーム全体に「心理的安全性」という名の栄養が行き渡るようになります。「ちゃんと報告してくれて、ありがとう!」「面白いアイデアだね、ありがとう!」そんな言葉が飛び交うようになれば、誰もが安心して発言・行動できる、ふかふかの土壌が育っていくんです。
新人の「なぜですか?」という素朴な疑問も、業務改善の「宝のヒント」に変わります。

良い野菜(ケア)は、良い土からしか生まれません。チームという畑を耕す、最初の一振りが「ありがとう」なんですよね。

3-3. 【利用者さんへのプレゼント】職場の空気は、最高のケアになる

私たち介護職が一番届けたいものって、なんだと思いますか?
食事や排泄の介助といった「作業」そのものでしょうか。きっと、違いますよね。
私たちが本当に届けたいのは、利用者さんが安心して過ごせる「穏やかな時間」のはずです。

スタッフ同士がピリピリ、ギスギスしていると、その不穏な空気は必ず利用者さんに伝わってしまいます。
ナースコールを押すのをためらったり、小さな不調を言い出せなくなったり…

逆に、スタッフの間で「〇〇さん、ありがとう!」「助かるよ!」なんて言葉が自然に飛び交っていたらどうでしょう。その温かくて優しい空気は、それだけで利用者さんの心を和ませる、何よりのプレゼントになります。
「ここの職員さんたちは、なんだか楽しそうね」その一言が、信頼関係の証です。

私、やなぎもフロア異動があった際に、業務内容や仕事量は変わらないのに何だか異動先の方が働きやすいと感じたことがありました。
よく考えると、やっぱり些細なことでも「ありがとう」の一言があったんですよね。
そのフロアでは、スタッフ一人ひとりが利用者さんやご家族ともこまめな声掛けがあって、とても良い空気や信頼関係が築けていました。

職場の良い雰囲気は、私たちが提供できる最高のケアの一つなんです。

4. 【実践クエスト】今日から始める!「ありがとう」を育てる3つの冒険

では、いよいよ冒険の始まりです!
「ありがとう」の魔法の鍵を手に入れるための、3つの簡単なクエストに挑戦してみましょう。

4-1. <冒険1:観察クエスト> 小さな「ありがとう」の種を探しに行こう!

私たちの日常には、見過ごしてしまいがちな「ありがとうの種」がたくさん隠されています。
まずは、それを探し出す「観察クエスト」に出かけましょう。

  • 誰かが落としたペンを、さっと拾ってくれた
  • あなたが忙しそうにしているのを見て、「何か手伝おうか?」と声をかけてくれた
  • そっとドアを開けて、あなたが通り過ぎるのを待っていてくれた
  • 連絡ノートに、読みやすい字で丁寧に情報を書いてくれていた
  • 配膳の前に、おかずの香りを「今日は美味しそうな匂いですね」と説明して、食卓の会話のきっかけを作ってくれた

どうですか?こんな小さな親切や工夫、きっとあなたの周りでも毎日起きているはずです。

私が昔働いていた施設で、ある利用者さんの湯のみを、何気なく軽くて持ちやすいものに替えたことがありました。
すると、その方は何も言いませんでしたが、飲み残しが少し減ったんです。それは、その方からの静かな「ありがとう」のサインだったのかもしれません。

「誰かが誰かのためにしてくれた、小さな工夫や気遣い」。それが「ありがとうの種」です。
まずは一日一回、この種を見つけることを目標にしてみてください。きっと、世界が少しだけ違って見えてきますよ。

4-2. <冒険2:伝達クエスト> 気持ちが伝わる魔法の呪文「アイ・メッセージ」

「ありがとうの種」を見つけたら、次はその気持ちを相手に届ける「伝達クエスト」です。
でも、「ありがとう」って、なんだか照れくさい時もありますよね。そんな時に使える魔法の呪文が「アイ(I)・メッセージ」です。

これは、「私」を主語にして気持ちを伝える方法です

<Before> 「(あなたは)〇〇してくれて、気が利くね」 これだと、少し上から目線に聞こえてしまうかもしれません。

<After> 「(あなたが)〇〇してくれて、私(I)はすごく助かったよ、ありがとう!」
     「(あなたが)〇〇って言ってくれて、私(I)はすごく嬉しかった、ありがとう!」

「あなたは素晴らしいね(Youメッセージ)」と相手を評価するのではなく、「私はこう感じたよ」と自分の気持ちを伝えるだけなので、相手も素直に受け取りやすいですし、伝える側の恥ずかしさも少し和らぎます。

この呪文を使えば、あなたの「ありがとう」は、もっと深く、もっと温かく相手の心に届くはずです。

4-3. <冒険3:育成クエスト> みんなで育てよう!「ありがとうの木」

最後のクエストは、見つけた「ありがとう」をチームみんなで育てる「育成クエスト」です。
一人で始めるのが難しければ、チームを巻き込んでしまいましょう!

おすすめは、職場のホワイトボードや休憩室の壁に、大きな木の絵を描く「ありがとうの木」です。

  1. 木の幹と枝だけの絵を、壁に貼ります。
  2. カラフルな葉っぱの形をした付箋を用意します。
  3. 誰かに感謝したいことがあったら、その内容を付箋に書いて、木の枝に貼っていきます。
    • 「〇〇さん、シーツ交換手伝ってくれてありがとう!」
    • 「リーダー、相談に乗ってくれてありがとうございました!」

もう一つのアイデアは、朝礼や終礼での「ありがとうリレー」です。
「昨日、〇〇さんが~してくれて助かりました。ありがとう。次は〇〇さんどうぞ」というように、感謝をリレー形式で繋いでいくのです。

最初は葉っぱの少ない寂しい木かもしれませんが、毎日少しずつ葉っぱが増えたり、リレーが続くようになったりすると、感謝が「見える化」されてチーム全体のモチベーションに繋がります。
ゲーム感覚で、みんなで木を育てていくのは、きっと楽しいですよ。

5. 【お悩み相談室】冒険の途中で壁にぶつかった時の「攻略のヒント」

冒険に困難はつきものです。「ありがとう」を育てようとしても、きっと壁にぶつかることがあるはず。そんな時のための「攻略のヒント」を3つ、お伝えしますね。

5-1. お悩み①:「ありがとう」って言っても、相手の反応が薄くて心が折れそう…

攻略ヒント
大丈夫!その言葉は、まずあなた自身の心を癒しています。思い出してください、「ありがとう」は自分のHPを回復する魔法でしたよね。相手からの見返りを期待してしまうと、自分が辛くなってしまいます。
「これは自分の心を整えるための習慣なんだ」くらいに思うのが、長続きのコツかもしれません。畑に種を蒔くように、今は反応がなくても、いつか芽が出るかもしれないくらいの気持ちで続けてみましょう。

5-2. お悩み②:忙しすぎて、感謝できる点なんて探す余裕がない!

攻略ヒント
そんな時は、ハードルをぐーっと下げてみましょう。「今日も無事に出勤してくれてありがとう」「〇〇さんがいてくれるだけで、夜勤も心強いよ、ありがとう」。完璧な行動じゃなくていいんです。相手の「存在そのもの」に感謝してみませんか?それだけで、100点満点の「ありがとう」です。

5-3. お悩み③:感謝を伝えるのが、どうしても恥ずかしい…

攻略ヒント
わかります、その気持ち。いきなり言葉にするのが難しければ、まずは「文字」の力を借りましょう。連絡ノートの隅っこに「〇〇さん、昨日はありがとう!」と書き添える。小さなメモ用紙に一言書いて、そっとデスクに置く。もしチームでチャットツールを使っているなら、スタンプと一緒に送るのも良い方法です。それだけでも、立派な冒険の第一歩ですよ。

6. あなたの一言が、世界を変える最初の一歩

物語をもう一度、振り返ってみましょう。

カチコチに固まっていた職場という畑に、あなたが勇気を出して蒔いた、一粒の「ありがとう」の種。

それは、まずあなた自身の心を潤し、やがて隣で働く同僚の心にも届きます。
その一言がきっかけで、チームの土壌は少しずつふかふかになり、やがて職場全体が温かい感謝の花で満たされた、豊かな畑に変わっていくはずです。

なぜなら、その行動には「科学」という裏付けがあり、あなたの実践には「具体的な方法」という武器があるからです。

私が好きな言葉に「ゲームオーバーも次のチャレンジの伏線」というものがあります。
一度や二度の失敗なんて、気にすることはありません。うまくいかなくても、それは次の挑戦に繋がる大切な経験値です。

失敗を恐れず、まずはあなたから、その温かい一歩を踏み出してみてください。

7. あなたの明日が、今日より少しだけ温かくなりますように

最後まで、この冒険の書を読んでくださり、本当にありがとうございます。

この記事が、明日からのあなたの仕事道を照らす、ポケットの中の小さなお守りになれたなら嬉しいです。

私自身も、介護の現場で悩み、人間関係に疲れ果ててしまった経験があります。
でも、そんな時に私を救ってくれたのも利用者さんや仲間からの、何気ない「ありがとう」でした。

介護という仕事は、本当に大変です。
だからこそ、そこで働く私たち自身が温かい気持ちでいられる場所を作っていくことが、何よりも大切だと思うのです。

明日、職場に着いたら、ぜひ周りを見渡してみてください。
そして、隣で働く仲間の素敵なところにそっと目を向けてみてください。

あなたが届ける小さな「ありがとう」が、誰かのそしてあなた自身の「明日も頑張ろう」という優しい光になることを心から願っています。
応援していますね。

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