1. はじめに:レクの時間、本当はもっと楽しみたい、と思っていませんか?
こんにちは。
元ITエンジニアで現役介護福祉士のやなぎです。
突然ですが、毎日のレクリエーションの時間…ふとこんな風に思うことはありませんか?
「本当はもっと、一人ひとりの利用者さんに喜んでほしいな…」
「でも、準備の時間も限られていて、いつも同じことのくり返しになってしまう…」
もっと心を通わせたいという優しい想いがあるのに、忙しい毎日に追われて理想通りにいかない。
そんな自分に少しだけ落ち込んでしまう。
その気持ち、僕もずっと抱えていたのでよく分かります。
でも、もう自分を責めなくても大丈夫ですよ。
その気持ちは、あなたが利用者さんを心から大切に思っている素敵な証拠なんですから。
この記事では、難しいテクニックの話はしません。
ほんの少しだけ視点を変えることで、いつもの塗り絵の時間が、あなたにとっても利用者さんにとっても、もっと温かくて楽しい時間に変わる。
そんなヒントをお伝えしたいと思っています。
記事の最後には、僕が心を込めて作った「会話が生まれるオリジナル塗り絵」のプレゼントも用意しました。
よかったら、最後までゆっくり読んでみてくださいね。
2. 結論:大切なのは「何をしてもらうか」より「何が好きか」を知ること
僕たちが塗り絵をする本当の目的って、何でしょう?
それは、ただ時間を過ごしたり、指先を動かしたりすることだけじゃないと僕は思うんです。
一枚の塗り絵はその方がこれまでの人生で味わってきた、たくさんの「好き」や「得意」が詰まったいわば「思い出のレシピブック」を開くための、小さなきっかけ。
私たちの役割は、そのレシピブックを一緒に眺めながら「こんな料理がお好きだったんですね」と、その方の物語に耳を傾けること。
綺麗な作品を完成させることよりも、その方の「好き」に触れた瞬間のパッと輝く笑顔に出会うこと。
そこに、この仕事の温かいよろこびがあるのかなと思うのですよね。
3. もしかしたら、すれ違っている?「いつものレク」がもたらす、ちょっぴりさみしい時間
3-1. 利用者さんの心に起こっていること
もし、毎日同じレクリエーションが続いたら、利用者さんの心の中ではどんなことが起こるでしょうか?
もしかしたら、「私の好きなことは、誰も知らないんだな…」と、少しだけさみしい気持ちにさせてしまっているかもしれません。 「あなたのために」という想いが届かない時、人の心から少しずつ彩りが消えていってしまうことがあるんです。
3-2. 私たちの心に起こっていること
一方で、私たちの心にも、小さな影が落ちてしまいます。
「準備しきゃ」という気持ちが、「今日も、喜んでもらえなかったかもしれない…」という、自信のなさや無力感に変わっていく。
この仕事を選んだ時の、「誰かの力になりたい」という温かい気持ちが、少しずつ冷めていくような感覚…
そのさみしさ、僕にも覚えがあります。
4. 心が通う、温かいレクの準備術
4-1.【STEP1】まずは「その方の“好き”」を見つけることから
僕はレクの時間、いつものように塗り絵の準備をしていました。
そして季節を感じてほしくて、皆さんにあじさいの塗り絵をお配りしました。
でも、ある利用者さんがポツリと「私、お花はあまり好きじゃないのよ」と教えてくれたんです。
その時、僕はハッとしました。
良かれと思った僕の行動は、相手の好みも聞かずに自分が得意な料理を押し付けてしまったのと同じだったんですよね。
この経験から、介護記録がただの書類じゃないことに気づきました。
あれは、その方の「好き」がたくさん詰まった「秘伝のレシピ本」だったんです。
アセスメントの重要性の再認識でもありました。
ただ業務として読むのではなく、「この方の“大好物”って何かな?」
「どんな“味付け”が好きだったんだろう?」と、ワクワクしながらページをめくってみませんか?
【“好み”を見つけるヒント】
- お仕事や役割: 元先生、元鉄道マン、お母さん…人生で一番頑張ってきた「主食」は何でしょう?
- 趣味や特技: 編み物、釣り、カラオケ…暮らしを楽しくしてきた「彩り豊かなおかず」は何でしょう?
- ふるさとのこと: 地元の景色やお祭り…心の中でずっと温かい「おふくろの味」は何でしょう?
- 若い頃のこと: 好きだったスターや歌…胸をときめかせた「特別なデザート」は何でしょう?
- ご家族のこと:お子さんのこと、お孫さんのことなど家族の思い出や最近のお話などなんでしょう?
4-2.【STEP2】完璧じゃなくてOK。「1日5分」の寄り道タイム
「一人ひとり違うものなんて、用意する時間ないよ!」
うんうん、その気持ち、すごくよく分かります。
だから、完璧なフルコースを目指すのはやめにしましょう。
大切なのは、ほんの小さな一歩です。
僕からの提案は、「1日1人、5分だけ」作戦。
休憩の終わりでも仕事の合間でもいいんです。
たった5分だけ、さっき見つけたキーワードという「食材」を、スマホやパソコンで探してみる。
「〇〇(ふるさとの地名) 祭り 塗り絵」みたいに。
この「5分間の寄り道」が、いつものレクを特別な時間に変える魔法のスパイスになるんです。
4-3.【STEP3】「上手ですね」のかわりに、『聞いてみたいこと』
以前、元国鉄職員だったという方にSLの塗り絵をお渡しした時のことです。
いつもは物静かなその方が、堰を切ったように当時の仕事のこと、SLへの想いを本当に楽しそうに話してくださったんです。
僕がしたことは、たった一つ。
「どんなお仕事をされていたんですか?」と、ただ知りたくて、聞いてみただけなんです。
「上手ですね」という言葉は、時々相手にプレッシャーを与えてしまったり、緊張させてしまうこともあります。
評価されているように感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、「このSLのどこに一番思い出がありますか?」とか、「このミシンで、若い頃は何を作ったんですか?」といった質問は違います。
それは、あなたの作品ではなく、“あなた自身”に興味がありますよ、という温かいメッセージになるんです。
5. 【無料塗り絵ライブラリー】いつでも使える素材を、別のページにまとめました
ネットで食材を探す中で、それでも「あと一歩、痒い所に手が届かない…」と感じることもありました。 「それなら、最高の“おもてなし”ができる、僕自身のオリジナルメニューを作ろう」 そう思い立ち、僕の介護経験とITスキルを掛け合わせて制作したのが、この塗り絵たちです。
今後、皆さんからのリクエストにもお応えしながら素材をどんどん増やしていく予定です。
そこで、いつでも探しやすく、使いやすいように塗り絵だけをまとめた専用のページを新しく作りました。
下のリンクから、いつでも無料でダウンロードできますので、ぜひあなたの現場でご活用ください。
▼▼ こちらのページから、全ての塗り絵を無料でダウンロードできます ▼▼
6. 【読者さん限定】あなたの「欲しい」を形にします(お一人様2枚まで)
僕が作った塗り絵を見て、
「うちの利用者さんには、もっとこんな絵柄がいいな」
「あの人が好きだった、〇〇の塗り絵があったらな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事を読んでくださったあなたへの感謝の気持ちとして、ささやかな企画を用意しました。
もし「こんなテーマの、簡単な塗り絵が欲しい!」というリクエストがあれば、僕があなたのために無料で作成します。 (たくさんの方に届けたいので、リクエストはお一人様2枚まででお願いします)
【リクエストの方法】
以下のいずれかの方法で、「こんな塗り絵が欲しいです(例:縁側でひなたぼっこする猫、昔ながらのアイロン、など)」と、お気軽にご連絡ください。
- ブログのお問い合わせフォーム
お問い合わせはこちら! - X(旧Twitter)のDMまたはリプライ
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完成した塗り絵は、無料塗り絵ライブラリーに「読者さんのリクエストコーナー」を設けて追加していきます。
塗り絵が追加された際には、僕のX(旧Twitter)でアナウンスしますので、よかったらフォローして、更新をチェックしてみてくださいね。
あなたの声が、僕の新しい作品となり、それがまたどこかの誰かの笑顔に繋がっていく。
そんな温かい循環が生まれたら、とても嬉しいです。
7. あなたの「あと一歩」を支える、お悩み相談室
- 周りの職員が非協力的で、一人だけ浮いてしまいそうです…
-
まずは、たった一人でいいんです。
あなたが心を込めて作った“一品”を食べた利用者さんの、「見たことない笑顔」を探しましょう。
その事実が、何よりの説得材料になります。美味しい香りは、自然と周りに伝わっていくものです。 - そもそも、介護記録(レシピ本)を読む時間なんて本当にありません。
-
よく分かります。だから「全部読もう」と思わないでください。1日1人、5分だけ。
「趣味」と「仕事」の欄、つまり“大好物”と“主食”のページだけチェックする。
その小さな習慣が、1ヶ月後あなたの厨房を大きく変えます。 - 認知症が進行し、反応がほとんどない方には、どうすれば…?
-
反応を「引き出そう」としなくていいのです。
ただ、その方の隣で私たちが楽しそうに「これは電話っていうんですよ」と語りかける。
それは、結果を求めずただ心を込めて出汁をとる作業に似ています。
その丁寧な時間は、きっと心の深い部分に温かい“うまみ”として届いています。
8. まとめ:明日から、あなたのレクは「特別な一品」を考える楽しい時間に変わる
この記事でお伝えしたかったのは、たった一つです。
「いつものレクを、その方だけの“特別メニュー”に変えていこう」ということです。
- 介護記録は「業務書類」ではなく「その方の“好み”がわかるレシピ本」。
- インターネットは「時間の無駄」ではなく「特別な一品を作るための“食材”探し」。
- 塗り絵は「作業」ではなく「心を込めて作った料理を出すお皿」。
視点を変えるだけで、いつもの仕事が、相手の「美味しい!」という笑顔を見るための、楽しい料理の時間に変わるのです。
9. 最後に:一枚の塗り絵に心を込める、優しいあなたへ
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
この記事を読んでくださったあなたは、きっと、利用者さんのことを心から大切に思っている、とても優しい方なのだと思います。
どうか、一人で完璧なレクを目指さないでくださいね。
うまくいかない日があって当然ですから。
でも、利用者さんの思いがけない笑顔が見られた瞬間が、きっとあなたの心を温かくしてくれるはずです。
僕の作った塗り絵が、あなたの明日からのレクリエーションの、小さなヒントになれたらとても嬉しいです。
ぜひ、コメントであなたの現場での話を聞かせてください。「こんな工夫をしたら、喜んでくれました!」「利用者さんのこんな笑顔が見られました!」そんなあなたの体験談を、心から待っています。
追伸:もう少しだけ、お付き合いください
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
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