
こんにちは!
元ITエンジニアで現役介護福祉士のやなぎです。
「ヒヤッ」「ハッ」とした出来事の後、気持ちが落ち着かない中で書くヒヤリハット報告書。
「客観的に書かないと…」
「再発防止策を考えなきゃ…」
そう思えば思うほど、時間がかかってしまったり、精神的に負担になったりすることありますよね。
もし、そんな報告書作成の負担を劇的に軽くできる無料のツールがあるとしたら、試してみたいと思いませんか?
今回は、Googleの最新AIツール「Opal」を使って私が作成した、ヒヤリハット報告書の作成から、学びやチームでの改善案までを自動で作成してくれるアプリを、その使い方と合わせてご紹介したいと思います。
無料で、Googleアカウントさえあればだれでも利用可能ですよ💡
こんな方におすすめの記事です
- ヒヤリハット報告書(インシデントレポート)を書くのが苦手で、いつも時間がかかってしまう
- 報告書の「再発防止策」を考えるのが、正直一番しんどい…
- AIに興味はあるけど、何から使えばいいか分からない
- 日々の介護記録や申し送りの業務を少しでも効率化して、心に余裕を持ちたい
1.このアプリが解決する、介護現場の3つの悩み
「報告書、苦手だな…」と感じる背景には、共通の悩みがあります。
このアプリは、そんな現場のリアルな課題を解決するために作りました。
悩み①:「何から書けばいいか分からない…」→ 客観的な文章を自動生成!
ヒヤッとした直後は、頭が真っ白になることも。
このアプリなら、簡単なメモを入力するだけでAIが客観的な文章にまとめてくれるので、冷静に事実を整理できます。
悩み②:「報告書に時間がかかりすぎる…」→ 圧倒的な時間短縮!
テンプレートを探したり、言い回しを考えたりする時間はもう必要ありません。
AIが作った下書きを修正するだけなので、報告書作成の時間を大幅に短縮。
その分、本来のケア業務に集中できます。
悩み③:「報告して終わりになっている…」→ 次に繋がる「学び」まで提供!
このアプリの最大の特長は、ただ報告書を作るだけではないこと。
「なぜ起きたのか?」「チームでどう活かすか?」という、介護の質を高めるための具体的なヒントまで自動で提案。あなたの「ヒヤリ」を、チーム全体の成長に変えます。
2.このアプリでできること
今回ご紹介する「ヒヤリハット報告書+学びと改善アプリ」は、あなたが入力した簡単なメモを基に、AIが以下の4つを自動で生成してくれるツールです。
- 客観的で分かりやすい報告書の下書き
- 個人の学びと振り返りを促すヒント
- 具体的な次のアクション(チェックリストや研修テーマ案)
- チームで話し合うための会議アジェンダ案
ただ報告書を作るだけでなく、その経験を個人の成長とチーム全体の安全意識向上に繋げられるのが、このアプリの最大の特長です。
【コラム】私がこのアプリを作った理由
実は私自身、ヒヤリハット報告書が大の苦手でした。
特に残業中に一人でPCに向かい、「再発防止策…再発防止策…」と頭を抱えていた時間は、今思い出しても辛いものです。
「この考える時間だけでも、誰か手伝ってくれたら…」そんな思いから、このアプリは生まれました。
日々の業務改善に少しでも役立てば幸いです。
3.専門知識は不要!たった3ステップの簡単な使い方
使い方はとてもシンプルです。パソコンが苦手な方でも全く問題ありません。
ステップ1:入力用テンプレートにメモを書く
まず、報告したい内容を専用のテンプレートに書き出します。
テンプレートに沿って、見たまま入力するだけなので簡単です。
この一手間が、AIに正確な情報を伝え、個人情報を守るために非常に重要です。
▼入力用テンプレート
ヒヤリハット報告書アプリ 入力用テンプレート
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【使い方】
1. 以下の「--- (ここからコピー) ---」から「--- (ここまでコピー) ---」までをコピーします。
2. メモ帳などに貼り付け、各項目を埋めます。
3. 埋め終わったら、その全文をコピーしてOpalアプリの入力欄に貼り付けてください。
【最重要】個人情報保護のため、氏名などの個人が特定できる情報は絶対に入力しないでください。
--- (ここからコピー) ---
* 発生日時:
* 発生場所:
* 関係者:
* どのような状況で:
* 何が起こったか(ヒヤリとしたこと):
--- (ここまでコピー) ---
【ポイント】
「関係者」の欄には、「田中太郎様」のように個人名を書くのではなく、「80代男性、車椅子使用」のように、個人が特定できない形で記入してください。
ステップ2:アプリにアクセスして、メモを貼り付ける
次に、以下のリンクからアプリにアクセスします。リンクをクリックして、コピーしたメモを貼り付けるだけ。
面倒な会員登録や、難しい設定は一切ありません。
⇩ヒヤリハット報告書+学びと改善ツールはこちらのボタンから⇩
※このアプリはGoogle Opalで作成されているため、利用にはGoogleアカウントでのログインが必要です。
アプリが開いたら、入力欄に、ステップ1で作成したメモをそのまま貼り付けて実行してください。


ステップ3:AIが生成したレポートを確認・活用する
実行すると、AIが数秒でレポート全体を生成してくれます。
【入力例】
* 発生日時: 2025年10月15日 10:30頃
* 発生場所: デイルーム
* 関係者: 利用者様C氏(80代男性、片麻痺あり)
* どのような状況で: 車椅子からソファへ移乗しようとしていた。
* 何が起こったか(ヒヤリとしたこと): 車椅子のブレーキがかかっていなかったため、移乗中に車椅子が後ろに動き、C氏がバランスを崩した。職員がすぐに支えたため、転倒には至らなかった。


【AIによる出力結果の全体像】
【ヒヤリハット報告書(下書き)】
- 発生日時: 2025年10月15日 10:30頃
- 発生場所: デイルーム
- 関係者: 利用者様C氏(80代男性、片麻痺あり)
- 状況の概要(客観的事実): 利用者様C氏が車椅子からソファへ移乗しようとした際、車椅子のブレーキが未施錠だったため車体が後退し、バランスを崩す事態となった。介助職員が即座に支持し、転倒には至らなかった。
- ヒヤリとした内容: 移乗介助の基本であるブレーキ確認が徹底されておらず、重大な転倒事故に繋がる可能性があった。
- 考えられる直接的な原因: 介助職員による、移乗前の車椅子ブレーキの確認不足。
- 再発防止策(提案): 移乗介助時は、必ずブレーキ施錠を指差し・声出し確認する手順をチーム全体で徹底する。
【💡この事例からの学びと振り返り】
- ワンポイント知識: 移乗介助の基本は、まず環境を整えることです。車椅子のブレーキ確認は、利用者様の安全を守るための生命線と言えます。どんなに慣れた作業でも、一つ一つの手順を省略しないことが重要です。
- 振り返りの質問:
- なぜブレーキの確認を忘れてしまったのか、その時の状況(急いでいた、他のことに気を取られていたなど)を具体的に振り返ってみましょう。
- 今後、確認を「無意識の習慣」にするために、個人として・チームとしてできる工夫はありますか?
【▶️次のアクション提案】
- 確認チェックリスト案: 移乗介助を行う前に、以下の項目を必ずチェックする習慣をつけましょう。 □ 車椅子のブレーキは、両輪とも確実にかかっているか?(指差し・声出し確認) □ 利用者様ご本人に、これから移乗することを伝えたか? □ 車椅子と移乗先の間に、隙間や段差はないか? □ 床に滑りやすいものはないか?
【チームで考えよう:ミニケース会議のアジェンダ案】
- 開会・目的の共有(5分)
- 今回の移乗ヒヤリハット事例を振り返り、チーム全体の安全意識を高める。
- 事例の共有と事実確認(10分)
- C様の移乗時に発生したヒヤリハットについて、事実関係に相違がないか確認しましょう。
- 根本原因のブレインストーミング(15分)
- なぜ車椅子のブレーキが未確認だったのか?その背景にあるチームの習慣や環境(忙しさ、声かけ不足、慣れによる油断など)について話し合いましょう。
- チームとしての再発防止策の決定(15分)
- 「声出し・指差し確認の徹底」を、いつから、どのようにチーム全体で実施するか具体的なアクションプランを決定しましょう。
- まとめと共有(5分)
- 決定事項を再確認し、各自の役割を明確にします。


あとは、この内容を元に必要な箇所を修正・追記すれば、報告書の完成です。
4.【最重要】ご利用にあたってのお願い
このアプリは非常に便利ですが、安全に使うために、以下の点だけは必ずお守りください。
- 個人情報は絶対に入力しない
AIはインターネット上のサーバーで動いています。
利用者様や職員の氏名など、個人が特定できる情報は絶対に入力しないでください。 - AIの生成内容は必ず自分で確認する
AIが生成するのは、あくまで「下書き」と「提案」です。
必ずご自身の目で事実確認と修正を行い、最終的な責任を持ってご活用ください。
5.よくある質問(FAQ)
6.まとめ
今回は、ヒヤリハヤット報告書の作成を劇的に効率化し、さらにチームの成長にも繋がるAIアプリをご紹介しました。
このツールが、日々の業務を頑張られているあなたの負担を少しでも軽くし、より良いケアに繋がる一助となれば、幸いです。
介護現場の働き方改革の第一歩として、ぜひブックマークしてご活用ください。
⇩よければこちらもご覧ください⇩【GoogleopalのAIツール一覧です】






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