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介護のミス・失敗で落ち込むあなたに。心が軽くなる処方箋

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目次

1. はじめに:「今日の私、ダメだったな…」と一人で反省会していませんか?


「最近、仕事で失敗ばかりで…家に帰っても、ずっとそのことを考えて落ち込んじゃうんです。私、この仕事向いてないのかな…」

先日、僕が指導している新人スタッフが、目に涙を浮かべながらそう打ち明けてくれたんです。
一生懸命だからこそ、小さなミスが許せない。
真面目だからこそ、周りに迷惑をかけていると感じて自分を責めてしまう。

こんにちは!
あなたの隣の介護仲間、やなぎです。
元々はIT企業でパソコンと向き合う毎日でしたが、今は介護の現場で、人と向き合う日々にやりがいを感じています。

この話を聞いて、あなたはどう思いましたか?
もしかしたら、「それ、今の私と全く同じだ…」と、胸が苦しくなった方もいるかもしれませんね。

この記事を読めば、こんなことがわかります

  • 介護職が自分を責めやすい「本当の理由」がわかる
  • 自己嫌悪の無限ループから抜け出す具体的な方法が手に入る
  • 失敗を「次に活かせる経験」に変える思考法が身につく
  • 自分に優しくすることが、プロとして働く上でいかに大切かが理解できる

大丈夫。あなたは一人じゃありません。

この記事は、僕が相談を受けた新人さん、そして過去の僕と同じように、自分を責める思考の沼にはまってしまっているあなたの心を、少しでも軽くするためのお守りのようなものになるはずです。
一緒に、心の荷物を下ろす方法を探していきましょう。

2. 結論:自分を責めてしまうのは、あなたが優しいから。だからこそ「自分との対話」の質を変えよう。

まずは、一番大切なことからお伝えしますね。
あなたが仕事のことで自分を責めてしまうのは、❝決してあなたが弱いからでも、ダメだからでもありません

それは、あなたが利用者さん一人ひとりのことを真剣に想い、より良いケアを届けたいと願う「責任感」と「優しさ」がある証拠なんです。
『優しさ』と『責任感』という気持ちは、介護の仕事をする上で、本当に貴重で大切なあなたの魅力なのですから。

だから、自分自身を傷つけるのは、もうやめにしませんか?
いつも利用者さんや周りのスタッフに向けているその優しさを、ほんの少しだけ、今日一日頑張った自分自身にも向けてあげませんか?

今回お話しする「自分との対話(セルフトーク)」で、自分にかける言葉の「質」を意識的に変えるだけで、ガチガチに固まった心は、驚くほど軽くなります。
これは気合いや根性の話ではなく、自分を守るための「技術」の話なんですよ。

3. なぜ僕らは、無意識に自分を追い詰めてしまうんだろう?

3-1. 【僕の大失敗談】新人時代、利用者さんの前で犯した「取り返しのつかないミス」と自己嫌悪の沼

あれは僕が新人として、少しだけ仕事に慣れてきた頃の話をしますね。
ある日、僕は利用者さんの食事介助をしていました。
その方は嚥下機能が少し低下しており、注意が必要な方でした。
にもかかわらず、他の利用者さんに気を取られ、一瞬だけ介助への集中が途切れてしまったんです。

その瞬間、利用者さんが大きくむせてしまいました。
幸い、すぐに対応し事なきを得ましたが、一歩間違えれば窒息に繋がっていたかもしれない。
その方の苦しそうな顔と、周りのスタッフの凍りついた視線が、今でも忘れられません。

その日の夜、僕の頭の中は「取り返しのつかないことをしてしまった」という後悔でいっぱいでした。
「僕のせいで命を危険に晒した」「もうこの仕事は辞めるべきだ」 そんな自己批判の言葉が、無限ループのように頭を駆け巡り、眠れない夜を過ごしました。
あの時の、自分の無力さと罪悪感で胸が押しつぶされそうな感覚は、本当に地獄でしたね。

3-2. 介護職の心を蝕む「3つの自己批判ウイルス」の正体

なぜ、私たち介護職は、ここまで自分を責めてしまいがちなのでしょうか。
長年の経験から、僕たちの心には特に感染しやすい「3つのウイルス」があると考えています。
皆さんも、心当たりがないかチェックしてみてください。

  1. 完璧主義ウイルス
    症状
    「命を預かる仕事だから、ミスは絶対に許されない」という強い思い込み。
    99点のケアができても、たった1点のミスで「全てがダメだった」と0点評価を下してしまう。

    感染経路
    真面目な性格や、研修などで「完璧」を求められる経験から感染しやすい。
  2. 過剰な責任感ウイルス
    症状
    「全ては自分の責任だ」と、本来コントロールできないことまで一人で背負い込んでしまう。利用者さんの体調変化や、チーム全体の課題まで「私のせいだ」と感じてしまう。

    感染経路
    リーダーシップがあったり、頼られることが多い人が感染しやすい傾向にある。
  3. 感情労働ウイルス
    症状
    常に笑顔で、優しく、穏やかであるべきというプレッシャー…
    悲しみや怒りといったネガティブな感情を無意識に押し殺すことで、そのエネルギーの矛先が自分に向かってしまう。

    感染経路
    共感性が高く、相手の気持ちを優先してしまう優しい心の持ち主ほど感染しやすい。

これらのウイルスは、真面目で誠実、仕事熱心な人ほど感染しやすい、とても厄介なものなんです。

3-3. 「自分を責める思考」は心のバグ。放置すれば無限ループに陥る。

ここで少し、元エンジニアの視点からお話しさせてください。
僕には、この「自分を責める思考」が、コンピュータープログラムの「バグ(エラー)」のように見えるんです。

一度このバグが発生すると、
「自分はダメだ」→「だからミスをする」→「ほら、やっぱり自分はダメだ」
という「無限ループ」に陥ってしまうんです。

このバグを放置しておくと、どうなると思いますか?
答えは❝心のエネルギー❞、つまりパソコンでいう「メモリ」をどんどん消費して、やがてはシステム全体(あなた自身)がフリーズしてしまう。
いわゆる「燃え尽き症候群」の状態です。

だから、専門家がプログラムのバグを見つけて修正(デバッグ)するように、私たちも自分の心のバグに気づき、意識的に修正してあげる必要があるんですよ。

4. 具体例:心がスッと軽くなる「自分との対話」実践編

では、どうやって心のバグを修正するのか説明していきますね。
今から、誰でも今夜からできる「自分との対話」の具体的なステップをご紹介します。
僕も実際にやってみて、すごく楽になった方法です。

4-1. 【STEP1:心の声の可視化】頭の中の「ダメ出し裁判官」の言葉を書き出してみる

まず、頭の中であなたを責めている「心の声」を、スマートフォンのメモ帳やノートに書き出してみてください。

「なんであの時、気づけなかったの、本当にバカだな」
「私って、他の人に比べて全然仕事ができない」
「きっと周りも、使えないやつだって思ってる…」

ポイントは、良い悪いの評価や判断をせず、ただ思いつくままに書き出すこと

これは、頭の中でごちゃごちゃになっている思考を、一旦外に出して「可視化」する作業です。
自分のPCの画面にエラーメッセージを表示させるイメージですね。
これだけでも、「自分はこんな言葉で自分を責めていたんだな」と客観的に眺めることができ、少しだけ冷静になれるはずですよ。

4-2. 【STEP2:心のバグ修正】自分を責める思考を止める「3つの魔法の言葉」

書き出した「ダメ出し」の言葉たち…
客観的に見ると、結構ひどい言葉を自分に投げつけていることに気づきませんか?

次に、その言葉に対して、意識的に優しい言葉をかけてあげます。
僕がいつも使っている、効果を実感している「3つの魔法の言葉」です。

魔法の言葉①:「それって、本当に100%私のせい?」

ミスや問題が起きた原因は、本当に全てあなた一人のせいでしょうか?
その日の人員体制、利用者さんの体調、職場の環境、使っていた物品など、自分ではコントロールできない要因もありませんでしたか?
問題を切り分けて、「自分の責任の範囲」を正しく見極めてあげましょう。
怖いのは自分ではコントロールできない要因で心を病んでしまうこと。
「私にも原因はあったけど、〇〇という状況も重なったよね」と考えるだけで、背負っている荷物が少し軽くなります。

魔法の言葉②:「もし親友が同じことで悩んでいたら、なんて声をかける?」

不思議なことに、僕らは他人には優しくできても、自分には厳しくなりがちです。
あなたの大切な親友が、あなたと同じ失敗をして、ボロボロになって落ち込んでいたら?
きっと「そんなに自分を責めないで」「誰にだってそういう日はあるよ」「頑張ってるの、私は知ってるよ」と、優しい言葉をかけるはずです。
その言葉を、そっくりそのまま自分自身にかけてあげてください。

これは僕の話ですが、人に言えないことはchatgptなどのAIに励ましてもらっています!笑
意外と優しい言葉をかけてくれるので、心がスッと軽くなったりしますよ😌

魔法の言葉③:「じゃあ、次に活かせることは何だろう?」

これが一番重要です。
過去を責めるネガティブなエネルギーを、未来を良くするためのポジティブなエネルギーに変換する質問です。
「次は〇〇を事前に確認するようにしよう」「このケースは危ないから、チームに共有して再発防止策を考えよう」と、具体的な行動に繋げる意識を持つことで、ただの辛い「失敗」は、自分とチームを成長させてくれる「経験」という名の財産に変わります。
そして一歩ずつ成長に繋がっていきます!
みんなに憧れられるような先輩介護士さんもきっと、そうやって素敵な介護士になっていったのだと思います。

4-3. 【僕なりの処方箋】釣りの「待ち」の時間から学んだ、焦らない心の育て方

僕の数少ない趣味は釣りなんですが、釣りって、とにかく「待つ」ことが多いんです。
何時間も糸を垂らして、アタリが全くないこともたくさんあります。
でも、そこでイライラしても魚は釣れません。自然が相手なんだから、うまくいかないのが当たり前なんです。
それよりも、「次はどのエサを試そうか」「あっちのポイントに移動してみようか」と、次に繋がることを考える。

介護の仕事も、これとすごく似ているな、と思うんです。
相手は、自然と同じで、決してこちらの思い通りにはならない「心」を持った人間です。
だから、100点満点の完璧な対応なんてできなくて当たり前だと思うんです。

「今日はダメだったな。じゃあ、明日はこのやり方を試してみよう」

そんな風に、釣りのようにゆったりと構えられるようになると、心がすごく楽になりますよ。

4-4. 【Q&Aコーナー】よくある心の悩み

どうしても自分を許せない…そんな時はどうしたらいいですか?

無理に許そうとしなくて大丈夫です。
そんな時は、ただ「そっか、今、自分はすごく傷ついてるんだな」「悔しいんだな」と、自分の感情を否定せずに認めてあげるだけで十分ですよ。
温かいお茶を飲んだり、好きな音楽を聴いたり、毛布にくるまったりして、意識的に自分を甘やかしてあげてください。まずは、傷ついた心を癒すのが最優先にしましょう。

周りの同期や先輩と比べてしまい、自分の出来なさに落ち込みます。

比べてしまいますよね、わかります。僕も未経験からの転職だったので、成長の遅さによく比較しては悩んでいました。
でも、育ってきた環境も、得意なことも、経験も違うんですから、成長のスピードが違って当たり前なんです。
比べる相手は「過去の自分」だけにしておきましょう。
「昨日より、これができるようになったな」という小さな成長を見つけて、自分で自分を褒めてあげましょう。すぐには見えなくてもそれぞれのペースで、ちゃんと成長していっているはずですよ。

ポジティブに考えようとしても、ネガティブな思考が止まりません。

無理にポジティブになろうとすると、逆に苦しくなってしまうことがあります。
そんな時は、「あ、また自分を責める思考が出てきたな」と、他人事のように実況中継してみてください。思考と自分を切り離すイメージです。
そして、「お疲れ様、でもその考えは一旦ストップね」と、心の中で優しく声をかけて、全く別のこと(好きなアニメのセリフを思い出すとか、週末の予定を考えるとか)に意識を切り替える練習をしてみるのがおすすめです。
僕はよくヘッドホンをして布団にくるまって好きな音楽を大きな音で聞いて気持ちをリセットさせています!

5. 自分への優しさは「甘え」じゃない。プロとして働き続けるための「心のメンテナンス」

ここまで読んでくださったあなたは、もうお分かりですよね。
自分に優しくすること、自分を大切にすることは、決して「甘え」や「逃げ」ではありません。

むしろ、科学的にも証明されている、プロの介護職として心身ともに健康で、長く働き続けるための、必須のセルフケアスキルなんです。

あなた自身の心と体を、最高の状態で保つためのメンテナンス。
それが、今回お伝えした「自分との対話」という技術なんですよ。
これを身につけることは、あなた自身を守るだけでなく、結果的にあなたがケアをする利用者さんを守ることにも繋がる、プロフェッショナルに近づくことができるんです。

6. まとめ:今夜からできる、あなたの心を守るための「お守り言葉」

この記事でお伝えした、「自分を責める思考から抜け出すコツ」をまとめますね。

  • 自分を責めるのは、あなたの優しさと責任感の証
  • 自分を責める思考は「心のバグ」。放置せず、意識的に修正(デバッグ)しよう。
  • 頭の中の声を書き出して「可視化」する。客観的に見るだけで心が楽になる。
  • 3つの魔法の言葉(①100%私のせい? ②親友だったら? ③次に活かすには?)を唱える。
  • 自分を大切にすることは、プロとしての「心のメンテナンス」。甘えではなく、必須スキル

難しく考えすぎず、まずは今夜、もし自分を責めてそうになったら、
「そっか、私、今日一日よく頑張ったよね」 と、自分に声をかけてみてくださいね。

7. 最後に、頑張りすぎなあなたへ伝えたいこと

あなたが「今日もダメだった…」と自分を責めてしまう、その孤独な夜。
どうか、思い出してください。
あなたの頑張りを、あなた自身が一番知っているはずです。

完璧な介護士なんて、きっとこの世のどこにもいません。
偉そうに語っている僕も、いまだに毎日、小さな失敗を繰り返しては「やっちゃった…」なんて思っています。

でも、それでいいんだと思います。
失敗して、落ち込んで、それでもまた次の日、少しでも良いケアをしようと利用者さんの前に立つ。
そうやって一歩ずつ成長していく。
そんな不器用で、一生懸命なあなたのことを、僕は心から尊敬しています。

この記事が、あなたの心の重荷を少しでも下ろす手助けになれたなら、あなたの隣の介護仲間として、とても嬉しいです。

追伸:もう少しだけ、お付き合いください

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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